iDeCoで株式投資をし老後資金を貯めるなら、楽天証券とSBI証券のどちらがおススメ?取り扱い銘柄をしっかり比較:前編

そもそもiDeCoとは

個人型確定拠出年金「iDeCo」は、一言で言うと、自分で作る年金制度のことです。利用者は、毎月一定の金額を積み立てて、投資信託等の商品で運用します。
運用後は、60歳以降に年金または一時金で受け取ることが出来ます。

逆に言うと(というか当たり前かもしれませんが)60歳まで資金が固定され引き出すことが出来ないということになります。それを補う以下のメリットがあります。

  1. 積立金額が所得控除の対象となり、所得税と住民税が安くなる
  2. 運用益が非課税(本来は20%課税)
  3. 受け取る時にも税制上の優遇措置がある

年収500万円、毎月12000円を30年間積み立て、年利6%で運用した際の節税額をシミュレーションすると以下のようになります。

SBI証券「かんたん節税シミュレーション」より(https://go.sbisec.co.jp/prd/ideco/about_simulation.html?k=6#column-03)

このシミュレーションによると、所得控除及び運用益非課税の効果だけで、237万964円の節税効果があります。老後資金形成を目的とするだけに、NISA、積立NISAと比べても、手厚い優遇がなされています。

60歳まで資金が拘束されてしまうという大きなデメリットがあるため、手持ちの資金に余裕が無い場合にはあまりお勧めできません。

逆に、手持ちの資金に余裕があり、更に将来に向けて積立を行いたいを考えている方にとって、このiDeCoは「使わない理由がない」制度なんですね。

iDeCoをするなら株式一択

iDeCoを使って老後資金作りをしようと決めた時に考える必要があるのは「何に投資をするのか」ということ。

その問いに対しての私なりの答えは「株式100%」です。

その理由は「iDeCoを使う場合、必然的に超長期投資になるから」です。
IDeCoは60歳にならなければ引き出すことが出来ず、資金が拘束されます。3年、5年というスパンで引き出そうと思っても、システム的に不可能です。

そして更に重要なのは「15年以上の期間を見れば株式投資へのリターンはプラス」という統計的なデータがあること。

株式は良くも悪くも「ハイリスク」です。良い時には大きく伸びるし、ドットコムバブル崩壊やリーマンショックといった際には大きく下げてしまいます。株式投資をしていれば、1年間で価値が半分になったことも、歴史上無いとは言えません。
それであっても、長い目で見れば株式のパフォーマンスは「平均に近づく」んですね。例えば、S&P500指数は、現在まで平均して6.8%の成長率となっていますが、長期にわたってこれだけのリターンをもたらす商品は他にありません。

こうした観点から、20年、30年と投資を行うことが必須になるiDeCoを使うにあたって、株式以外にあえて投資をする理由は個人的には無いと思っています(あくまでパフォーマンスを求めるなら、です)。債権は、変動の幅が株式と比べれば小さいため、1年2年という「短期で見た時の」リスクヘッジにはなりえます。しかし、超長期投資であれば、債権を組み込めば、それが全体のパフォーマンスを下げる要因となってしまいます

60歳で株式が暴落したらどうするのか?

60歳になったタイミングで暴落したらどうするのか?と感じる方もおられるでしょう。そう考えるのはごく自然なことですが、それも問題はありません。60歳のタイミングで暴落していたら、積立期間を延長すればよいのです。

2022年からは65歳までiDeCoでの積立を行うことが出来るようになります。60歳の時点で株式が暴落していても、そのまま積立を5年間は続けることができるんですね。

もちろん、iDeCoのみで生活しようとしている場合には、暴落したとしても株式を売却して生活しなければなりません。ですので、少なくとも株式市場が回復するまでの2年間は過ごせる程度の生活資金は必要となります。

しかし、生活資金さえしっかりあれば、暴落していたとしても心穏やかに市場の回復を待つことが出来るんです。

そして、一般的に「暴落からの回復期間は2年程度」と言われますので、積立を続けられる5年間という期間は暴落→回復→上昇のプロセスを株式市場が経るのに十分な期間なんですね。

どこの証券会社で運用すべきか?
取り扱い銘柄の観点から考える

では、このiDeCo、どこの証券会社で運用するのが良いのでしょう。
「証券会社なんてどこでも一緒でしょ」と思うかもしれませんし、確かに似たような所もありますが、異なる部分も多いんです。

その中でも、重要なポイントは「取り扱い銘柄」です。

60歳まで引き出すことが出来ないiDeCoだからこそ、「どのような対象に投資できるのか」「銘柄ごとにどれくらいの管理コストがかかってくるのか」ということが重要となってきます。管理コストが出来るだけ安く、長期的に見ても信頼できる商品を選ぶ必要があります。

そして、iDeCo取り扱い銘柄は、証券会社によって全く異なってくるんですね。

ですので、良質な銘柄に投資したければ、自分の目的に合った証券会社を選択しなければなりません。

後編では、ネット証券二大巨頭「SBI証券」と「楽天証券」とを、取り扱い銘柄とその管理コストの観点から比較してみます。

後編を読む

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